ケテルブルクの夜は、静かだ
雪に覆われたこの世界は、昼間でさえ静かだというのに夜になれば無音になる
只きしきしと、真っ白な雪の上に足跡をつける音だけが、世界を支配する
知らないことが一杯あった。此処に初めてきた時に知ったのは、これが雪だという事
これは雨が冷えた姿だという
なのに、あの雨のように音が無い。あるとすれば、積み重ねられた白い結晶たちを踏みつけるときに立つ軋むあの音
雪が鳴る・・・・
初めての感触と、初めての音に
部屋から抜け出した俺は夢中になっていた
俺はこの街が好きだった。とくに夜のこの街が。
カジノの賑やかなライトも夜中になれば消え、街灯以外の明かりは無くなり
静けさと、雪に反射した月明かりで彩られる
誰の視線も感じない、誰の声も聞こえない
それが、ケテルブルクの夜
(--------------------------------誰も居ない)
この誰も居ない空間が心地良い
誰も居ないけれど、傍で誰かが眠っている。孤独では、無い。
((ローレライの解放まであと、もう少し・・・))
自分が消えていく、逝ってしまうと知る瞬間
孤独になる瞬間はきっと、その時だ。
死んでしまったら、何かを思うことすら出来ないだろうけれど
(もし、あの人に囚われている彼を解放したならば、自分は生きる事は叶わない)
死後の世界というものがあるとしたなら、その世界には誰も居ないのだろうか。
真っ暗な世界なのだろうか?それとも、何も変わらないのだろうか?
誰も知らない、向こう側に思いを馳せてしまうのはどうしてかは判りきっていた。
俺の片足がもう死の世界にずぼりと突っ込んであるからだろう。
怖いとは、思う。でも、怖いと思うだけ。ただ、それだけだ。
(もしかしたら、とても良い場所なのかもしれない)
だって、向こう側の世界からは誰も帰ってはこない。
この世界なんかより、素敵な場所なのかもしれないんだ。自分が、そこに辿りつけるかは別として。
・・・・あくまで、想像でしか存在しないあちらの世界。あるかどうかも、判らない向こう側
ほんの少し、待ち遠しい気もする。
在るかさえ判らない向こう側の世界を思い浮かべながら辿りついた広場を少し歩き回ってみる。
自分の踏みしめた跡を雪が覆い隠して、次第に姿を消していく。
少し汚れてしまった雪の上の足跡が最初からそこには無かったみたいに真っ白に戻っていく様をジッと見つめた
その様がまるで、この先の自分を指しているみたいで
ほんの少し、悲しかった
消えていく足跡
冷えて固まって、どうか俺の足跡を残しておいて・・・・この街ではきっと溶ける事は無いだろうから
メモ
この時期に、雪の話。少し、気が早いぞと言いたい。
シリアス、かな?解放前にケテルブルクに行くイベントってあったっ・・・け?(悩)もし無かったら、立ち寄ったっちゅう方向でお願いします。あー一回しかプレイできなかったからすんごいあいまい。
公式設定集とかも読まない人間だからHPとかのテキストもまったくもっての捏造!
・・・まいいけど(笑)
ケテルブルグかケテルブルクか時々判らなくなるのは私だけでしょうか・・・?
一年中雪が降る街は、雪が溶ける事は無いだろうと。少しでも自分の刻存在を刻みつけていたかったルークでした。
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